LOG IN

試行錯誤を繰り返した、エンジニアチームの軌跡【オンラインイベントレポート】

by KDDI ウェブコミュニケーションズ 広報ブログ

2021年3月25日(木)、KDDIウェブコミュニケーショのエンジニアチームが主催したオンラインイベント「前進するエンジニアチーム! 〜試行錯誤の軌跡〜」が開催されました。

本イベントは、エンジニアチーム「第二開発部」による自主企画で、組織結成から現在まで2年間で行ってきたチームビルディングに関する試みと結果を、赤裸々にお話いたしました!

今回はその様子をレポートとしてたっぷりとご紹介いたします。

KWCの事業内容とエンジニアについて

KDDIウェブコミュニケーションズのコーポレートミッションは「ITで明日のビジネスにある当たり前をつくる」。中小企業や個人事業主の皆さんの事業を支えるため、クラウドホスティングサービス「CPI」、ホームページ作成サービス「ジンドゥー」、クラウド電話APIサービス「Twilio」、通信事業者向けにセキリュティサービスの販売管理プラットフォームを提供する「プラットフォーム事業」、2021年3月にスタートしたばかりの農業IoTサービス「てるちゃん」を提供しています。今後はさらに、自社開発のサービスにも力を入れていく予定です。ちなみに会社名が長いため、社員の間では頭文字をとった「KWC(ケーダブリューシー)」と呼ばれています。

KWCのエンジニアについて

KWCには組織横断的な技術部隊として「技術本部」があり、「第一開発部」「第二開発部」「運用部」と3つの部門に分かれています。「第一開発部」「第二開発部」では、Webアプリケーションエンジニアが事業サイドと連携しながら新機能の企画・設計・開発・運用などを行っており、「運用部」では、サーバーネットワークの領域で開発・構築・運用・保守などを行っています。ここで、KWCのエンジニアの特徴を紹介します。

・客先常駐なし(勤務場所は自宅or自宅オフィス)

・インフラ(サーバー)からアプリケーション、デザインまで幅広い業務領域

・自分たちでサービスを創り育てる

・開発環境や使用言語等、選択できる機会が多い

そして、今回のオンラインイベントは、「第二開発部」のメンバーが中心となって企画・開催いたしました。

<登壇した「第二開発部」のメンバーはこちら>

山田…2015年中途入社。第二開発部ゼネラルマネージャー。

山本…2019年10月中途入社。第二開発部 チームひよ子リーダー。

鈴木…2019年2月中途入社。第二開発部 チームつぶグミリーダー。

パク…2019年4月新卒入社。第二開発部 チームひよ子所属。

金城…2020年4月新卒入社。第二開発部 チームつぶグミ所属。

(司会として人事総務部の稲住が参加)

エンジニアチームの成り立ち紹介

いよいよメインセクションに移ります。第二開発部の2年間の物語をマネージャーの山田が紹介しました。

2年前、KWCでは「CPI」「Twilio」という2つの事業部にエンジニアが所属していました。エンジニアが事業と密接に関わっているということで大きなメリットはあったのですが、各技術部署のリソースがリミッターになってしまうという課題があり、2019年3月に「技術本部」が結成され、柔軟に動くエンジニア組織ができました。その中でも第二開発部は、Webをはじめとしたシステム開発に特化した部署で、CPIの共用レンタルサーバー「SV-Basic」のコンソールやバックオフィスシステムの開発・運用・保守などを担当しています。

第二開発部のマネージャー山田によると「ホスティングサービスということでシステムはオンプレで構築していると思われることが多いのですが、実は第二開発部で担当しているシステムはAWSもしくはAzureを利用しています。第二開発部はKWCの中でクラウドに長けたメンバーが集まっている」とのこと。平均年齢も32〜33歳と若く、日本、アメリカ、韓国と国際色豊かなメンバーが集まっています。

チームで大切にしているマインド

続いて、第二開発部のメンバーがどんなマインドで業務に取り掛かっているかを、新卒1年目の金城が説明しました。本イベントで紹介させてもらう“取り組み”も、これらの共通マインドを持っているメンバーだからからこそ挑戦し続けられことです。

1.評論家ではなく全員がプレイヤーである

2.変化を歓迎する

現在の業務や新たな試みに対して、批評や評価を言うだけではなく、とりあえずやってみる、手を動かしてみることを大切にしています。さらに、前進していくために試行錯誤を繰り返しているチームであるからこそ、その過程で生まれる変化を拒まず、どんどん受け入れて自分たちの成長の糧にしていくこと。第二開発部では、この2つを大切にしています。

そして、それらのマインドをもとに、日々継続して行っている活動があります。

1.ANALYZE(分析する)

現状に満足せず、もっと効率よく、もっと楽しく仕事をするにはどこを改善すればいいか、定期的に部内で話し合う場を設けています。

2.CHALLENGE(挑戦する)

1で出したことにチャレンジするという意味ではもちろん、興味を持ったことに対して積極的に挑戦していく。週1回、気になるセミナーを見つけて業務時間中に参加しているメンバーや、気になる言語とフレームワークを使って個人的にアプリケーションを作っているメンバーもいます。

3.AGREE(同意する)

変化していく第二開発部だからこそ、大切にしないとならないことです。誰かが「○○をしよう」と発言したときには、遠慮せず誰もが意見を発信しながら、全員が賛同したときに動いていきます。

試行錯誤したチーム体制の動き

続いて、第二開発部の誕生から半年ごとに行われたチーム体制の変化について。それぞれのフェーズで出てきた課題と、それに対する試行錯誤についての話をマネージャーの山田がお話いたしました。

1.個人事業主の集合(2019年4月〜2019年9月)

第二開発部誕生時は、マネージャー経験0のマネージャー、ベテランエンジニア4名(内フルテレワーカー2名)、新規メンバー3名(中途1名・新卒2名)で構成されていました。まだ誕生したばかりだったため、部内のルールや働き方の共通認識がなく、それぞれ携わっているプロジェクトが違う個人事業主が集まっているようなチームでした。マネージャーが全てのプロジェクトに参加していたため、マネージャーのスケジュールが埋り、ボトルネックとなっていました。そして、2名のベテランエンジニアが立て続けに退職することに。

2.メンバー育成(2019年10月〜2020年3月)

新規中途メンバー、第二新卒メンバーが1名ずつ合流し、「チームリーダー+新規メンバー」のツーマンセルのチームが出来上がりました。さらに、チームリーダーには「プロジェクトリーダー」としての役割も担ってもらい、マネージャーは補佐的な立場へと変わりました。それにより、結成当時にあったマネージャーによるボトルネックが解消されました。しかし、ほとんどの社員が中途採用だったため、新卒メンバーを育成する上での課題も見えてきました。また、ほぼ全員がオフィス勤務だったため、オフラインでのコミュニケーションが増えた反面、フルテレワーカーとのコミュニケーションが課題になりました。

3.チーム形成完了(2020年4月〜2020年9月)

新規中途メンバー1名、新卒メンバー1名が合流し、チームを再編成しました。コロナ禍により、全員がフルテレワークになり、兼務していたマネージャーのチームを別のリーダー引き継いでもらいチーム形成が完了しました。コミュニケーションが全てオンラインになったことで、元々フルテレワークをしていたメンバーとの距離も縮まりました。しかし、チーム内でのコミュニケーションが円滑になったが故に、チーム横断でのコミュニケーションが課題になりました。そのため四半期に一度、チームシャッフルを行うことにしました。

4.ワンチーム(2020年10月〜現在)

第二開発部としてのチーム力が強くなり、メンバーそれぞれの意識にも変化が出てきました。チーム内での横のコミュニケーションも活発になり、メンバーそれぞれがアイデアを出し合い、自分のチームで効果があったものは第二開発部のルールとする取り組みも導入しました。

この2年間での課題への取り組み

続いて、本イベントの発起人でもある山本から、この2年間で発生した課題に目を向け、その課題に対して行なってきた取り組みと結果を共有しました。

1.担当事業が変わる

組織結成と共に携わる事業が、コミュニケーションビジネス事業「Twilio」から、クラウドサービス事業「CPI」へと変わりました。全く性質が異なる事業のため、知識がほとんどない状態で動き出すことに。しかし、老朽化システムの再構築を行ったことを皮切りに、システムの理解、業務の理解、事業部との関係構築が進み、開始から1年後には3システムリリースを完了しました。

2.プロジェクト計画が破綻

4〜5ヶ月取り組んできたプロジェクトがリリース直前で白紙になることに。事業部とのコミュニケーションが不足しており、ユーザーに対する理解も不足していたことが原因でした。また、Azure、コンテナ、サーバレスファンクションなどのノウハウが乏しかったためキャッチアップに苦戦していました。

そこで、開発手法をウォーターフォールからアジャイルへと変更し、スクラムチームを結成。ユーザー要件を十分に理解している事業部メンバーとスクラムチームを組むことで、意思決定のスピードアップやシステム要件の柔軟な変更、細やかなレビューを取り入れることができました。結果、再開から4ヶ月かかってしまいましたが無事にリリース完了。現在は他のプロジェクトでも、徐々にアジャイル開発を取り入れています。

3.問題意識でとどまる

この方程式が必ず成り立つわけではないですが、有識者≒評論家≒現状維持になっており、当時は現状維持が続いていました。漠然と問題がないと感じており、「ずっとこうだったから、これから先もこうやっていかないといけない」と決めつけていた部分がありました。改善意識よりも静止摩擦力が上回っていたからこそです。

形骸化した定例会議を廃止した。集まって実施していた内容を各自確認する査読方式に変更。漠然にやっていたものへのアプローチ。変更した定例会議はブラッシュアップされて、意義のある、伝わる内容に改善されました。

4.問題の事後検知しかできない

関係者の定性評価のみで走りきっており、見えていない箇所で発生する問題が後々顕在化していました。「こんなに頑張ったから大丈夫」から始まり、本番稼働後にバグが発生。バグ発生後にFIXすることが増えていました。分析してみると、「テスト工程で検知可能だったよね」「仕様の詰めが甘かった」など、作り込み工程で十分に検知できる内容が多くありました。また、計画段階で必要な見通しを立てることができず、後半になって間に合わないことが分かり、慢性的にリスケをすることがありました。

そこで、プロダクトやチームでそれぞれ定めてしまっていたルールを部内に再定義することを実施しました。プロジェクト活動のベースとなる開発工程、ドキュメントの配置場所、レビュールールなど。定性評価からの脱却を図り、第三者が評価可能な組織へと変わっていくことにしました。こちらはまだ絶賛取り込み中で、まだ効果が出るタイミングではないため、改めて報告できたらと思っています。

5.実はアイスブレイクができていない

第二開発部では懇親会やLT会などを頻繁に開催していたため、会話量は多い方でした。しかし、心理的安全性が未熟だったため、「無知だと思われたどうしよう」「無論だと思われたどうしよう」「ネガティブだと思われたくない」というような感情が動いてしまい、当たり障りのない会話に繋がっていました。

これらの課題を解決するため、みんなが話したいトピックや興味のある内容を7分程度でディスカッションする「LeanCoffee」を開催。その中で、「こんなこと考えていたんだ」「そこ気づかなかった」「同じ不安を抱えていたんだ」など、今まで出来ていなかったアイスブレイクができました。このように考え方を共有したことにより、消極的な姿勢から積極的な姿勢に切り替わり、会話の中に「なぜこれをやらないといけないのか」「それであればこうしたい」というような積極的な発言がどんどん増えていきました。現在も形を変えて、部内ディスカッション企画「しゃべり場」として隔週で継続開催しています。

6.新しいことへのチャンレンジが減少

昨年の夏頃、チーム内のスタートアップ企画として、アプリを作ってみようというチャレンジを行いました。しかし、2ヶ月で自然消滅というかたちになってしまいました。問題は、メンバー自身がチームタスクの達成に必死になって取り組んでしまっていたこと。また短期的なリスクや一時的な遅延などを許容できずにチャレンジしている場合ではないとチャレンジの優先度を下げてしまっていた。また、チームごとにリソースに余力があったり熱量の違いがありチャレンジ格差が生まれてしまっていた。

チャレンジに対するモチベーションや優先度が低くなっていたため、みんなでやるから「やりたい人、共感できる人がやる」に切り替えました。もちろん、取り組まないメンバーもただ傍観するのではなく、そのチャレンジを支援する姿勢を持っていました。チームのメンバーが参画している場合は、打ち合わせの時間を調整したり、取り組みの結果をフォードバックして意見交換に参加するなどです。その結果、新しいチャレンジが1件だったところ、5件まで増えました。また、それ以外にもチームで活動していく中で、新しい技術を積極的に取り入れたりと環境がどんどん変化しています。

テレワークの軌跡

全メンバーがフルテレワークという状況の中でも、チーム力を高めることができたのは、会社の制度や環境を活用したからこそ。もともとKWCにはテレワーク制度があり、社員が状況に応じて使っていましたが、基本的にはオフィス勤務でした。しかし、国立競技場が近いことから、2020年2月にはオリンピックに備えてテスト的に全社テレワークを実施。その後、コロナ禍により2020年4月には全社員が基本的にテレワークでの業務となりました。

具体的に会社として行った取り組み、第二開発部独自の取り組みを新卒2年目のパクがお話しました。

会社としての取り組み

コロナ禍で全社員がテレワークという働き方になり、社員の働く環境を整えたり、社員間のコミュニケーションを増やすため、KWCでは以下のような取り組みを行いました。

1.イベント制度変更…オフラインが対象だった社内勉強会の費用補助が、オンライン開催でも利用可能になりました。

2.補助金支給…テレワーク環境設備費として5万5千円、夏場の光熱費補助として3万円、在宅勤務手当として毎月1万円を補助しています。

3.オンライン社内イベント…健康経営プロジェクト、オンライン社員旅行、オンライン忘年会などを開催しました。

チームとしての取り組み

1.部内動画配信コンテンツ開始…みんなを集めて共有する程度のことではないけれど、聞いてほしいことをそれぞれが動画で投稿しています。現在、「とてつもなくでかいペヤングを食べてみた」「韓国での兵役経験」「ダイエット奮闘記」「沖縄いくならここ」など、業務には直接関係のない動画も多数上がっています。

2.テレワーク用のチャンネルを運用…オフィス出社時には無意識に得られた情報を、テレワークでも共有することを目的としたチャンネルの運用を開始(プライベートチャンネルは廃止)。勤務連絡やミーティングルームの作成は、チーム内のみんなが見えるチャンネルでやりとりしています。

3.常時Zoom → GATHER.TOWN…当初は常時Zoomで接続していましたが、カメラをオンにしたり、話かけると全員に注目されるなどのストレスを感じることも。そのため、近づくだけで会話を始められる「GATHER.TOWN」に切り替えを行いました。それによりストレスが軽減され、リアルに近いコミュニケーションが実現できています。

活用しているツールと私たちのルール

活用しているツール

第二開発部で使用しているツールを、チームリーダーの鈴木がご紹介しました。主にマイクロソフトとヌーラボの2社のツールを使用しています。

※KWCとしての全社的なチャットツールはTeamsを使用しています。

・Backlog…業務の課題の管理として活用しています。チームによってガントチャート、かんばん方式などそれぞれの方法でタスクを管理しています。

・Cacoo…フルテレワークになり、ホワイトボードを使うことが難しくなったため模索していた際にみつけました。ホワイトボードとしての活用だけに止まらず、マインドマップで考えまとめる、ユーザーストーリーを考える際などにも使用しています。

・OneNote/VScode…OneNoteは自分用のノートとして使うことはもちろん、共同で編集することができるため、議事録や新卒メンバーからの他社への文言確認などに使用。VScodeは、Visual Studio Live Shareというプラグインを導入することで、複数人で同時編集が可能に。モブプログラミングやレビューの際に使用しています。

・SharePoint…エンジニアといってもソースコードだけが成果物ではないため、仕様書を保存する際に使っています。

私たちのルール

・デイリーミーティング…各チームで時間を決めて、部内の誰もが自由に出入り出来るミーティングルームを設定。他チームのメンバーが参加して、意見をもらうこともあります。

・常時通話接続…チームによって常時ではないのですが、会話しながら画面を共有して作業を進めていくスタイルを導入。モブプログラミングやペアプログラミング、雑務のナレッジ共有などを行っています。

・ノウハウ継承…コマンドラインを順番に打つだけの単純作業でも、説明しながら実行することでノウハウを継承していきます。特に新卒メンバーは分からないことも多いため、教えながら作業しています。

・チーム名・アイコン…各チームに名前とアイコンを設定しました。元々はチームリーダーの名前をとって「チーム鈴木」「チーム山本」だったのですが、メンバーのチームへの所属意識が低いと感じていたことから、「つぶグミ」「ひよ子」「エイヒレ」とそれぞれ名前をつけました。

今後、目指していくチーム

最後に、第二開発部が今後どういう部署を目指していくかを新卒1年目の金城が発表しました。

「お互いを尊重・尊敬して働く組織」を目指していく

具体的には以下の3つになります。

1.新しい技術を常に追いかける…変化を歓迎する第二開発部らしく、現状を変えることを厭わず技術的に成長を続けていく。

2.全員が楽しみながら働ける…様々な開発やチームのルールを定めていっているところで面倒そうに感じるかもしれないが、それを決めることで結果、みんなが意識せずに楽しみながら働けることに繋がっていく。

3.社内のテックリード部署へ…KWCの中で、この分野なら第二に任せておけば安心。第二開発部に協力して欲しい。と思ってもらえるように。

以上でメインセッションが終了し、ディスカッション(質疑応答)をした後、イベントが終了しました!

(終わったあとは、第二開発部メンバーで振り返りと打ち上げをしたそうです。笑)

本イベントを企画した第二開発部では、TwitterTwilioブログにて情報を発信しています!

また、第二回目となるオンラインセミナーも検討しているとのことなので、気になる方はKWCのconnpassグループをぜひフォローしてみてください!

OTHER SNAPS