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多拠点ワークスタイルを実践する企業の本音。「Re Travel―旅する自分を想像しよう―」レポート

by KDDI ウェブコミュニケーションズ 広報ブログ

KDDIウェブコミュニケーションズ広報室の前田です。

2022年3月3日〜30日まで、食・展示・ワークショップ等を通して、沖縄・香川・北海道・静岡の魅力を紹介するイベント「Re Travel―旅する自分を想像しよう―第二弾」が開催されています。今回、ワーケーショントークショーに、広報室室長の神森が登壇したので会場に行って来ました。

イベント会場となったHave a Nice TOKYO!は、国内外の旅行者に向けて東京と日本の魅力を発信するツーリスト・コミュニケーション・センターとして、2021年9月に三菱ビル1階に開業した施設です。

▲シーサーや花笠などが展示されており、沖縄の雰囲気を楽しむことができました

イベント初日となる3月3日に開催されたトークショー「実践企業のホンネを聞く!多拠点ワークスタイルで見えてきた可能性」。沖縄でシェアオフィス /コワーキングスペースを運営する「howlive」さんにお声かけいただき、KDDIウェブコミュニケーションズとガイアックスさんの2社でお話させていただきました。

本イベントでは、「地方創生」や「働き方/生き方」を専門とする記者、伏見学さんがファシリテーターとして参加。「コロナ禍によって働き方がだいぶ変わり、リモートワークが当たり前になってきている。しかし企業として、ワーケーションや多拠点生活というワークスタイルを取り入れているところはまだまだ多くない。その中で実践されている企業としてお二方にお話しいただきたい」と伏見さん。

テレワークを機に東京から宮古島にIターン

伏見さん(以下、伏見):神森さんは1年くらい前に宮古島に移住されたそうなのですが、きっかけは?

神森:東日本大震災の後、会社としてBCP(事業継続計画)の観点から、働き方についての環境をいろいろと考えていました。弊社はレンタルサーバーを扱っているので、万が一のことが起こった場合でも、お客様がウェブを運営し続けられるような状況にしないといけない。そこから、テレワークでも働ける環境や制度について整備してきました。そして2020年、新型コロナウィルス感染症の拡大によって、全社員がテレワークという働き方になりました。そんななか、宮古島オフィスの社員が退職することになり、社内で宮古島で働く人の募集がありました。私自身、もともと沖縄が大好きだったこともあり、応募しました。テレワークを経験し、どこにいても仕事ができると実感出来ていたのが大きかったですね。

伏見:宮古島行きを希望する社員は多かったのでは?

神森:実際に行ったのは2名でした。家族での移住はハードルが高いでしょうし、小さなお子さんがいるご家庭は動きにくいというのもあったのかと。上司に相談して問題なければ行っていいということで、直属の上司である社長に相談し、OKをもらったので決めました。移住する際にかかる費用を会社が負担してくれるというのも大きかったですね。

伏見:宮古島以外にも拠点はあるのでしょうか。

神森:沖縄県の宮古島とうるま市にオフィスがあります。それ以外では、自宅で働く現地採用の社員が、北海道から九州までいます。もともと東京で働いていたけれど、コロナ禍を機にUターンで地元に帰った社員もいます。

▲ファシリテーターの伏見学さん。沖縄のお酒、泡盛が好きとのこと

実験的に座席を減らして、全員来ると困る状況を作った

伏見:ガイアックスでは、かなり前からリモートワークで働いている。その理由は?

流さん(以下、流):ガイアックスは創業24年で、創業期は若いメンバーが中心でした。それが2013年頃には家庭を持つ人や介護をする人など、ワークスタイルがそれぞれになってきた。あとは業務の効率化(生産性)を考えたときに、試していた中の一つとしてあったのが「本当にオフィスは必要なのか?」ということ。ある部署を実験対象として、いきなり人数分の席を用意しない、ということをしました。基本的に来ないといけない空気をなくして、全員来ちゃうと困る状況を作ったところ、業績も落ちることもなく、上がる月もあった。そういったところからスタートしました。

伏見:いきなりそういうことすると、いろんな意見があると思うのですが。

流:当時の話はすべて議事録に残っているのですが、最初に困るのが総務部門や各管理部門との連携。最初の調整は大変だったようですが、そんなことは1年も続かず、割と何があっても大丈夫な状態になりました。だからこそ、コロナ禍でも(働き方に)困らなかったですね。

伏見:どのくらいの方が地域に移住しているのでしょうか?

流:社員数が150名くらいなのですが、永田町のオフィスに行っても、10〜20人くらいしかいないですね。新卒は一番ハードルが高いと思うのですが、横浜、岐阜、福岡、千葉、京都などに住んでいます。あとは社長自身が葉山に完全に移り住んでいて、全然東京に来てくれない状態です(笑)

▲2020年に東京から宮古島に移住した、KDDIウェブコミュニケーションズ広報室室長の神森

移住後も自宅でテレワークを継続。宮古島だからこその良い変化も

伏見: 神森さんは宮古島に移住して1年くらいとのことですが、働き方は変わりましたか?

神森:テレワークという視点でいうと、東京でテレワークをしていたときと基本的に大きく変わりはありません。基本的に今でも自宅でテレワークをしていて、オフィスは眺めがいいので時々気分転換に行くくらいですね。あとは弊社の場合、さまざまな制度を活用して働き方を自分で選ぶことができるので、仕事の合間に海へ写真を撮りに行き、また自宅に戻ってから仕事をする日もありますね。そういった面では東京にいたときとは変わりましたね。

伏見:心身の変化はありますしたか?

神森:島の周りは海しかなく、開放的な環境なので、ざわざわするものがないですね。あと、私がアトピー体質なのですが、夏にずっと海へ行っていたからか、少し落ち着いた気がします。東京に住んでいると、海に行くには重い腰をあげないといけないですが、こっちだとちょっと車を走らせるだけで行けるので、そういう意味では心身ともに良い影響がありますね。

伏見:物理的な距離が変わりましたが、不便になったことは?

神森:これまでオフィスを歩いているだけで、社内で何が起こっているかを肌で感じることが出来たからこそ、心づもりや準備が出来ていました。でも、オフィスに行かなくなってから、会社で何起こっているかが伝わりづらいという不安が少しあります。ガイアックスさんはどうしていますか?

独り言のような内容をいかに社内で堂々と伝えられるか

流:全社に限らず、チームとかでも起こりやすいと思います。これまでだと、ちゃんとした会話じゃなくても独り言みたいなこともサインを出しやすかった。それが公式な会話だけになっていることが原因なのかなぁと。自分以外どうでもいいようなことも、誰も反応しないかもしれないけど、どれだけ気軽にチャットやメールに簡単に投げられるか、いかにそういう場所を作れるかっていうのは一番のキーだった気がします。発信ハードルを極限まで下げるというのは意識しました。「今日は思ったより寒くないですね」とか、そのレベルの話を発信できるということは、体調のちょっとした変化であっても発信できるということ。どこまで独り言レベルのことをチーム内、会社内で堂々と発信できるようになるかが重要だと思います。

伏見:それを制度化したわけですね?

流:それをルールにするとやりづらくなるので、誰かさくらを用意して率先してやってもらう。全体に発信してしまうと邪魔になるので、それ専用のメーリングリストやチャットを作ってどんどんやっていくっていうところをしました。

神森:うちもTeamsが基本コミュニケーションの場ですね。テレワークになってから雑談チャンネルが出来ましたが、一定の人が呟いているという感じで、積極的に活用されているかというとまだまだだと思います。

流:あとはダイレクトメッセージや数人のグループではなく、できるだけ人数多いところで、オフィスで話をしていても周りに聞こえるイメージで発信する。意図的にどれだけ雑談を他の人にも見せるかがかなり重要かなと。

▲株式会社ガイアックス人事総務部長の流さん。内定者インターンを経て、新卒で入社して5年目

コミュニケーションの流れをつくる新入社員のフォローアップ

伏見:新卒や途中で入ってきた人が驚いたりしないですか?

流:新しい人が入ると、その人を各チャンネルに紹介して、その人がそれに反応するという流れを最初に作りました。ジェットコースターや観覧車がここまで来ると勝手に走り出すような、そんな流れを作っています。

神森:うちも昔、オフィスに出社していたときは、各セクションの責任者が新しく入ってきた人を連れ回って紹介していましたね。オンライン版の社内報で社員インタビューを出すようにはしているのですが、その人の人となりまでは分かりにくくて…。それはおもしろいので、ぜひやってみたいですね。

それぞれが違う環境で違うものを見ることで、可能性や幅が広がる

伏見:いきなりオンラインなので、新入社員はそういったフォローアップがあるといいですね。また、今日は多拠点がテーマとしてあるのですが、東京から離れたいろんな場所で働くメリットとは何でしょう。

神森:私はこういった働き方をしてまだ1年なので初心者に近いですが、これまでの東京で仕事をして、各地域に出張で行っていたのですが、それとはまたちょっと違う働き方だなぁというのを感じています。今後また、人によって生活のスタイル変わってくるでしょうし、ステージも変わってくる。そのステージによって働き方が変えられる会社っていうのは今後はますます選ばれるんじゃないかと思います。私の場合、50歳を過ぎてからの移住だったので、あと何年で定年を迎えるってなったときの自分自身がどうあるかをこの機会に考えていますし、それぞれが自分のステージによって働く場所、働き方を変えていけるというのはすごくいいなと思います。

流:組織視点だと、例えばいろんな国籍、いろんなジェンダー、いろんな価値観など、中にいる人たちの多様性はかなり浸透していると思っています。でも、その人たちのつながりの多様性、気づきの多様性はまだまだあまり話せていないなぁと。同じ地域の子どもたちが集まった小学校と、全国からいろんな子どもたちが集まっている小学校だと会話の幅が違うし、そこでの気づきや得ることも違うと思っていて。(社会人だと)東京の都心に住んで、ビジネス交流会や展示会に行って、いろんなツールを知ってというのが今まで。でも、それぞれが違うところに住むことで、社員が100人いたら100人それぞれが別の人たちと知り合って、別の環境の中で、別のものを見ることになる。ただ生活しているだけでも、組織全体が持っている新しい気づきや新しい繋がりが増える。新規事業が見つかりやすいとか、リファラル採用の幅が広がるとか、コミュニティがいろんなところに出来てくる。会社として、今までやっていたことの延長線上ではなく、新しいものが生まれる可能性や幅が広がると思っています。

伏見:具体的な成果では、どんなものがありますか?

流:分かりやすいところでいうと、山奥に引っ越した若手が農林水産系の新規事業にチャレンジしました。また、全国を周っている社員がいるのですが、各地のホテルと提携して、短期の仕事をしながら旅行できるワーケーションプランの予約サイトを作った社員もいます。

伏見:移住先との接点も増えますからね。神森さんも宮古島で地域との交流はあるのでしょうか。

神森:宮古島移住が決まったとき、できるだけ地元の人たちと交流してくださいと言われていて。今も実際に地元の農家さんと仲良くなり、何か一緒にできないかを考えています。以前、弊社の社長が「各拠点をそれぞれの意思で作ってもらっていい。その分のオフィスの家賃が払えるくらいの事業を別でやってもいい」と言っていて。宮古島はそれとはまた違うのですが、せっかくなので地域に貢献しながら何かしていこうと考えているところです。

伏見:個人の働き方が広まり、さらにその人が来たことで地域に変化をもたらせるようになったら、皆さんにとって価値が高まりますよね。

神森:宮古島って本当に小さな島で、周りは何もありません。一つの国で何かしているのと同じなのでいろんな意味で経験には繋がると思います。せっかくオフィスがあるので、他の社員にも活動してもらいたいなと思っています。

どんなコミュニティにしていきたいのか選択が迫られている時期

伏見:一方で、今後オフィスはどうなっていくのでしょうか。コロナになってすぐ、オフィスをなくした会社もある。ここ2年くらいで改めてオフィスの意味合いも変わったのかなと思うのですが。

流:オフィスの機能ってもともと2つあったと思っていて。1つは働く場所としてのワークスペース。もう1つはコミュニティ。集まって働く必要がない業種に関しては、ワークスペースは不要かもしれない。問題はコミュニティ。どんなコミュニティにしたいか、会社や組織によってさまざまだと思います。結束力を強くすることでうまくいくのか、仲の良い団結力が強みの会社にするのか、外に出ていくことが強みの会社にするのか。どういうコミュニティにしていきたいかの選択が決まっていく。今、そういう決断が迫られている時期だと思います。

神森:弊社は2016年、外苑前にオフィスを移転しました。社員がどこでも会議ができるスペースがあったり、オフィスの半分がフリースペースになっていたり、そこから偶発的な何かが生まれることを期待して作りました。しかし状況は変わり、コロナ禍で社員がほとんどオフィスに来なくなりました。先ほど話があったように、コミュニティとしてどうしていくかを弊社でも考えているところです。今後は、自宅で仕事していてふらっとオフィスに行く。そこで他の人と話をして、良いアイデアをもらって、また帰って仕事に活かす、という場所になるのではないかなと思います。

最後にひとこと

伏見:ありがとうございました。最後に一言ずつお願いいたします。

流:生きる場所、働く場所、そこで何を得たいのか、働き方を完全に選べる時代になっていると思います。東京一極集中という異常な状況は変わってくるかもしれないと思っていて。流行っているから地方移住しようとか、地方に拠点をおくとかかではなく、自分たちの目的によって、個人でも会社でも選択していけたらなと思います。

神森:私は、沖縄に住んで仕事をするという選択した人間ではありますが、この選択は間違ってなかったと思っています。一人一人のライフスタイルの変化に応じた働き方を許容していってあげると、企業としても伸びていくのではないかなと。それを期待したいと思います。

コロナ禍で急速に変化した私たちの働き方。企業としてはオフィスのあり方、個人としては今後の生き方を考えるきっかけとなったでしょう。

KDDIウェブコミュニケーションズでは、現在もテレワークを中心とした働き方を継続しており、日本国内の自宅もしくは会社が指定するオフィス(東京本社・沖縄オフィス・宮古島オフィス)で働くことができます。

募集情報についてはこちらからご確認ください。

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